聴くだけで人間を恍惚としてしまうような曲を生産してきたアーティストがいる。
Guns N'Rosesだ。
彼らの曲はまさに“聴く麻薬”である。
まずは聴いてみて欲しい
これは彼らの代表的なアルバム「Appetite For Destraction」に収録されている曲である。
ボーカルのアクセルの織りなす全身から捻り出したような歌声と、スラッシュの織りなす華麗でかつ粗削りなギターの音色が交わり、奇跡ともいえる曲を作りだしている。
特に間奏でのアクセルのシャウト、スラッシュのリズミカルな躍動するギターソロには心を奪われざるを得ない。
そもそもガンズはメンバーが一人薬物依存症で脱退してしまうほど薬物に手を出しながら、曲を作り出してきたグループだ。
薬物中毒者が作った麻薬的音楽、それがGuns N'Roses という音楽なのである。
海外のアーティストが麻薬に手を出していることは珍しいことではないが、日本ではしばしばアーティストが薬物で逮捕されている。
最近では電気グルーブのピエール瀧やチャゲ&飛鳥のASKAが記憶に新しい。
さて、日本を代表するアーティスト、桑田佳祐が週刊文春で連載しているコラムでは、薬物とアーティストの関係についてこう述べている。
桑田は、ミュージシャンとドラッグの関係について「そういうのを使うのがカッコいいという風潮がたしかにありました」と切り出すも、「ドラッグに頼ればいい音楽をつくれるわけでもありませんしね」「以前は飲んでいる席で、“ドラッグ、絶対やったほうがいいよ”と言われたこともあります」と、過去にドラッグの誘いがあったと明かした。
しかし、「そう言ってくる人は決まって時間にすごくルーズだったり(中略)そんなふうになりたくないと思った」と、ドラッグをきっぱりと否定している。
桑田の所属するサザンオールスターズの元メンバーが薬物乱用で逮捕されたという過去もあるからか、アーティストの薬物乱用には反対する立場を表明している。
薬物など使わなくとも、良い曲が書けることは桑田自身が証明しているところにカッコ良さを感じる。
そして薬物を使っていても“聴く麻薬”を生産することができるとGuns N'Rosesは証明した。